妄想/不快

昼間からKFCで、鶏の肉を頬張って、腹を満たしてみたりしていたら、ちょうど目の前の制服姿の女子高生が同じように昼間から鶏の肉を頬張って、指先を脂でぎらぎらにして、骨までしゃぶっている姿に釘付けになってしまった。皮はつるりとはげるだろうとか、ああ、そんなにしゃぶり尽くすのかとか、軟骨はこりこりしてるだろうにとか激しく妄想を膨らます自分を恥じるとともに、妄想の偉大さを讃えつつも、短絡的な自分の妄想力を呪詛した。
最近は衛生面に凄く敏感な世の中だから、特にお店とか慎重で、呑みに行ったりとかしても、その所為で非常に不愉快な思いをしたりもする。空いた席のテーブルに抗菌スプレーとかシュッシュと吹きつけて綺麗にするのだけど、ボックス席とかじゃなくてテーブルとテーブルが隣接してるのに、平気でスプレーを放つ店員というのはどういう神経をしているのだろうか。スプレーの飛沫の拡散具合を理解できていないんだ。こっちは食事をしているのだ。不愉快というか、呆れて笑えてきた。その店で何か変な菌をもらうよりよっぽど不快だ。そんなスプレーで客に不愉快な思いをさせるくらいなら、早朝の渋谷の街でごみ拾いでもしたほうがよっぽど衛生的で世のためひとのためってもんだ。ある時あの街はただのごみ溜めの姿をしてしまう。