まんじゅうこわい

夜、煙草を吸おうとベランダに出ると、やたらと明るいではないかと気付き、咄嗟に空を見上げると、満月だった。でっかく、黄色く、丸く、夜空に浮かんでいた。新年早々、縁起がいいものだと、手でも合わせたくなる。今年こそ良いことがありますようにと。

雑煮を食べたら後は何もすることがないので、YouTube鳥居みゆきの映像探し漁っていたなら、早速、元旦のレッドカーペットの映像が上がっていて、どこかの誰かよ、仕事が速いものだな、と感心して見ていたら、ふたつ目のネタで途中落語からの引用が登場し、会場がまったくついていけず、しらーっとなってしまった。しかしこの後の展開も含めてかなり完成度の高いネタに仕上がっていて唸らされた。

まず落語からの引用が入ったネタを作った時点で、鳥居みゆきはレッドカーペットでは反応が絶対に良くないと理解しているはず。ちょっとでも落語に興味があれば、あぁ引用かってことになるのだけど、そんなのは本当に極一部だと鳥居は決めつけてこのネタを作ってる。だからこそ、その後「ここまでの部分がすべて無駄だった」という展開に持っていけて、それで蓮舫に無駄を切られるという素晴らしい着地点に辿り着けると。要するに鳥居みゆきにしてみればあそこで、会場の反応がああなることをすべて予想してるわけだ。ただ実際は無駄ではない。しっかり成立している。つまり蓮舫の無駄切りすらも、本当に無駄をきっているのか?という皮肉にもなっているのかもしれない・・というのは深読みし過ぎか。
でね、最終的に思ったのは、あれで満点大笑いになるってどーなのかねということで、鳥居みゆきがテレビに出始めた頃にこのネタをやっていたら確実に満点大笑いなんてことにはならなかったはず。ただ意味わからんで終わり。鳥居みゆきのわけのわからない暴走キャラという定着し始めた概念があるからこそ、皆、わけわからんけど面白いはず、というところの満点大笑いということ。
結果、鳥居みゆきが最近、このアルプス鳥居改め南アルプス鳥居というキャラクターを出し始めたのは、かなり絶妙なタイミングなんだと思う。やはりこの人は本当の意味で芸人だと思う。